埼玉県比企郡小川町にある「トラキチ|昭和の台所」様からご依頼いただき、オリジナルリングノートを制作しました。
今回は、厚みのある板紙に活版印刷を施した2種類の表紙が特徴です。紙の質感や色を生かしながら、活版印刷ならではの凹みを表現。ショウビが担当した紙の提案、活版印刷、リング製本について、制作の裏側をご紹介します。

お店のキャラクター「トラ」をあしらったオリジナルノート
今回ご依頼いただいたのは、埼玉県比企郡小川町にある「トラキチ|昭和の台所」様。
お店のオリジナルグッズとして、リングノートを制作することになりました。
表紙には、お店のキャラクターである「トラ」のイラストと店名がデザインされています。
ショウビでは、クライアントが思い描く仕上がりに近づけるため、表紙に使用する紙の提案から、活版印刷、リング製本までを担当しました。
2種類の板紙で表現する、異なる表情の表紙
今回のリングノートでは、素材と印刷色を変えた2種類の表紙を制作しています。
① チップボール × 黒・オレンジの2色印刷
1つ目は、厚さ1.4mmのチップボールを使用した表紙です。
チップボールは、グレーの地色と素朴な質感が特徴の板紙。今回は、その素材感を生かしながら、黒とオレンジの2色で活版印刷を施しました。
紙そのものの色と印刷色が組み合わさることで、白い紙に印刷したときとは異なる表情が生まれます。

② 黄板紙 × 紺色の1色印刷
もう1つは、厚さ1mmの黄板紙を使用した表紙です。
黄板紙は、その名のとおり黄色みを帯びた板紙。こちらには紺色のインキを使用し、1色で印刷しました。
同じデザインでも、紙の色や厚み、インキの組み合わせによって、仕上がりの印象は大きく変わります。
今回は、それぞれの紙が持つ個性を生かした2種類の表紙に仕上がりました。

厚い板紙への活版印刷。色と凹みを均一に仕上げる難しさ
今回の制作で特に難しかったのが、厚みのある板紙への活版印刷です。
活版印刷は、版にインキをつけ、紙に圧力をかけて印刷する技法です。印刷時の圧力によって紙に生まれる凹みも、活版印刷ならではの魅力のひとつです。
今回はクライアントから、しっかりと凹みを感じられる仕上がりをご希望いただきました。
しかし、厚い板紙に印刷する場合、インキを均一にのせながら、凹みも均一に表現することは簡単ではありません。
さらに難しかったのが、インキの色の再現です。
今回使用したチップボールはグレー、黄板紙は黄色と、どちらも紙そのものに色があります。
そのため、白い紙に印刷するときとはインキの見え方が異なります。
クライアントがイメージする色にできるだけ近づけるため、紙の地色との関係を考えながら、印刷色や印圧を調整しました。
紙の種類、インキの色、印刷時の圧力。
それぞれの条件を見極めながら仕上がりを整えていくことも、活版印刷の大切な工程です。
中面は、いつからでも使えるカレンダーと自由なメモページ
今回のリングノートは、表紙だけでなく中面にも特徴があります。
前半には、月間カレンダーを14ページ設けました。
日付の数字はあえて印刷せず、使う人が自分で書き込める仕様になっています。
そのため、使い始める月を選ばず、好きなタイミングから使えるカレンダーです。
カレンダー部分には「画王」という紙を使用しています。
後半には、無地のメモページを60ページ用意しました。
こちらには「モンテシオン」を使用。罫線のない白紙なので、文章を書いたり、アイデアを描いたり、自由な使い方ができます。
カレンダーとメモを1冊にまとめた、日常的に使いやすい構成です。


厚さ1cmを超えるノートをリング製本に
今回、もうひとつ苦労したのが製本工程です。
厚みのある板紙の表紙に、カレンダーとメモページを組み合わせたことで、ノート全体の厚みは1cmを超えました。
この厚みのあるノートをリング製本に仕上げることも、簡単な作業ではありませんでした。
印刷がきれいに仕上がっても、製本まで完成しなければ商品にはなりません。
紙の厚みやページ数、完成時の形状を考慮しながら、1冊のリングノートとして仕上げました。

紙の提案から完成まで。イメージを形にするものづくり
完成したリングノートは、クライアントが希望されていたイメージどおりの仕上がりとなりました。
ショウビから提案した紙もイメージに合っていたとのことで、大変喜んでいただくことができました。
また、イベントでも使用されたそうで、評判も上々だったとのお話をいただきました。
今回の制作を通して改めて感じたのは、紙選びの大切さです。
同じデザインでも、紙の色や厚み、質感が変われば、印刷の表情も変わります。
そこに活版印刷ならではの凹みが加わることで、手に取ったときに感じられる魅力が生まれます。
ショウビでは、活版印刷の技術だけでなく、紙の選定や製本方法も含めて、ものづくりをお手伝いしています。
オリジナルノートや紙製グッズの制作をお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
制作仕様
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クライアント:トラキチ|昭和の台所
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所在地:埼玉県比企郡小川町小川177
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制作物:オリジナルリングノート
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表紙①:チップボール 1.4mm厚/黒・オレンジ2色活版印刷
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表紙②:黄板紙 1mm厚/紺1色活版印刷
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中面①:月間カレンダー14ページ/画王
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中面②:無地メモ60ページ/モンテシオン
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製本:リング製本
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ショウビ担当:紙の提案・活版印刷・製本